surgのブログ

日々のネタ忘備録。勉強用。R初心者。切ったり縫ったりする人。

Assessment of Risk of Bias

まとめてRisk of Biasの評価をする必要に迫られたので、忘備録的に。
ちょっと足りないとか間違ってるとかあるかもしれないので、また修正するかも。

とりあえず、Allocation consealmentSequence generationはきちんと区別すること。
当たり前っちゃ当たり前なんだが。

1. Adequate sequence generation?

  • 割付にはallocation sequenceが使われなくてはならない
    • ブロックランダム化
      • ブロックの数は固定されておらず、変化するか?
    • 層別ランダム化
    • 最小化法(方法論的には議論あり)
  • ランダム化が基本的な役割を果たす
  • サンプルサイズの小さい試験では(通常各群100人以下くらい)単純ランダム化では比較的類似したサイズの比較群が生成される

そのうえで…

  • High ROB
    • 割付に誕生日や受診日などが使われている
  • Unclear ROB
    • 「ランダム化した」としか書いてない論文(結構多い)
    • 疑いがあれば、sequence generationの正確さは unclear である
    • 著者がblock randomizationを行ったと記述していても、そのblockを選ぶprocess、例えば乱数表や乱数発生器についての特定が出来ないことがある。その場合は unclear となる。

というような判断をすればよさそう。

2. Allocation concealment?

  • 簡単に考えれば「次の割付が予想できたらあかん」ということ。
    • 封筒法で封筒に封がされていなかったり透けたり⇒見えてしまう
    • 交代法⇒次の人はバレバレ
    • ランダム化のコードが知られる⇒予測可能
    • ブロックの数がわかっている⇒ブロックの中で最後の人は割付パターンが予測可能
  • 不適切な隠匿化では、適切なものに比べて、効果を平均的に18%も有益に見せる(Pildal 2007)
    • ちゃんと隠匿化してないと「盛った」結果に!
  • 中央ランダム化(同一施設でのランダム化はROBが高い)
  • 連続した番号の振られた薬剤コンテナ(見た目が同一で区別できない)
  • 封筒法であれば、封筒に封がされて、透かし防止がされていて、カーボン紙で封筒に書いた情報が転写される、などの表記がちゃんとされているか。

3. Blinding for Parcipants & Personnel?

  • 参加者とヘルスケアの提供者(医師・看護師など)へのblinding
  • ちゃんとPlaceboを使っているか(Openだとどっちに割り付けられたかが当然わかってしまう)
  • 薬剤の副作用によってどちらの治療を受けているかがわかってしまう参加者もいる
  • "double-blind"と書かれていても
    • 参加者とケア提供者の盲検化状況を詳細に報告した研究の頻度は低い
  • 参加者とケア提供者の盲検化がされていないrisk of biasを考慮する場合、以下のこと考慮:
    • 誰が盲検化されていて、誰がされていないのか
    • 研究を通じて盲検化が欠落することでの実際のアウトカムのRisk of biasはどうなるか。
    • 盲検化されていなくても、Risk of biasが高いアウトカムもあれば、低いアウトカムもある。

4. Blinding for outcome assessment?

  • アウトカムデータを測定・収集する人へのmask
  • 誰がアウトカムを評価しているか
  • アウトカムがどれくらい主観的/客観的か
  • アウトカムの評価者が全員maskされているか?

5. Incomplete outcome data addressed?

  • Drop outや解析からの除外による欠測の結果、観察された効果の推定値にはバイアスが生じる
    • 漸減の原因: 同意の撤回、検査の欠席、質問紙票の空欄、通院がなかった、データの消失など
    • 除外の原因
      • 研究開始後に不正があったなど
      • 除外は正当な理由であればよい
  • データ欠損の理由が両群で同じであれば、欠測は許容可能(MCAR)
  • "as treated"解析の各群の症例数が最初の割り付けと大きく異なる場合:High risk of bias
  • すべての患者が試験を完了し、フォローアップが完璧で、介入の変更・治療の中止がなく、有害事象がなかったというのがLow risk of bias

6. Free of selective reporting?

  • Protocol論文があれば、レポートと比較できる。Protocolを探してくる。
  • 論文のMethodに書かれた結果が報告されているか?
  • 同じデータで異なった解析方法を行う
  • データが詳細でない(p < 0.05やNSなどのみで報告されており詳細が不明)
  • 大部分の研究が"Unknown risk of bias”に分類される可能性

7. Free of other bias?

  • RCTではない場合
  • Cluster RCTの場合
  • Cross-over trialsの場合
    • carry-over effect
    • cross-over designがそもそも適しているのか
  • 診断回数が多い場合偽陽性が増える
  • - COIの影響 → これはこのドメインではなく、Descriptionで述べるべきだという意見もあるようですが、Cochraneの偉い人がCOIはここに入れろ的なessayを数年前に書いたらしく(出典不明)COIをここに入れる人は増えているとか。

古いRCTだとこういうのがあまり分かんなくてつらいですね。